はたまん文庫

アリのままで

熊谷守一という画家がいた

「誰が相手にしてくれなくても
石ころをじっとながめているだけで
何日も何月も暮らせます」

彼は晩年の30年間を
自宅の敷地から外へ出ず
1日の大半を自宅の庭ですごし
そこで見たものを絵に残した

「ありのままで」という唄を耳にするたび
目に浮かぶのは
彼の人生と
彼が描いたアリの絵である

(2014年7月31日)