電車に乗るために駅へ行く
券売機や改札がある場所は
暗く陰気くさい
自分が
どこへ行こうとしているのか
わからない
切符の買いかたも
わからない
いつのまにか
駅員とやりとりしたらしく
私の手には
切符が握られていた
電車は
まもなく出発らしい
あせりながら
改札を抜け
ホームへ出ると
電車は
おだやかな
日差しに包まれながら
停まっていて
ほっとする
車内は
片側に3人ずつ
腰かけられる
対面式の座席だった
つまり
1両につき
座席は6人分
昼間の
空いている時間帯らしく
空席のほうが多い
知人が
車内で立ちながら
待っていてくれたが
なぜ立っていたのか
理由はわからない
知人は
私の姿を見ると
席に腰かけた
知人の横には
1人ぶんの
空間があり
知人は
私がそこへ
座るものと
思っているらしい
私は
知人のとなりではなく
知人の向かい側の席に
腰をかけた
知人が
誰なのか
私は知らない