はたまん文庫

長いお休み

「さいきん
クマ先生を見ないね」

ある日
タヌキくんが
いいました

「死んだのかしら?」

ウサギさんがいいました

クマ先生が
学校にこなくなって
2か月がすぎていました

でも
生徒たちは
クマ先生がいなくても
不便なことはなく
この日まで
だれも
クマ先生について
話しませんでした

なにしろ
クマ先生が
いないあいだ
生徒たちは
先生の机を
かじったり

先生の机を
けとばしたり

先生の机に
おしりを
こすりつけたり

まいにち
やることが
盛りだくさんで
いそがしかったのです

「先生が死んだかどうか
たしかめにいこう!」

生徒たちは
クマ先生の家へ
むかいました

クマ先生は
家の中で
きもちよさそうに
眠っていました

「省エネしてたのね」
ウサギさんが
いいました

「ぼくもマネしようかな」
ネズミくんが
いいました

タヌキくんは
クマ先生の家を
はなれるとき
おしりを
ていねいに
クマ先生の家へ
こすりつけました

(2012年3月9日)