スキーで
雪の斜面をすべっている
急にからだが浮きあがり
地上から
二十メートルくらいの
高さをただよっている
風に飛ばされたのだろうか
地上に下りたいと思い
風のようすを
からだ全体でさぐるが
よくわからない
からだをうごかすと
右や左に
旋回できるが
下へ落ちていく気配はない
ふだん
スキーをしている時に
からだが軽くなり
無重力空間にいるような
気分になることが
よくある
そのためだろうか
こわいという
意識がない
地上に下りる時が
いつか
おとずれるはずだと
鷹揚な気分で考える