どこかのビルにいる
夜だが
ビルの中は照明が消えている
窓から入ってくる
外の明かりのおかげで
かろうじて室内のようすがわかる
自分は怪獣や異星人から
地球を守る組織の一員として
そこにいるらしい
ビルの近くに
怪獣か異星人が
現れたらしいという
連絡が入る
そばにいたはずの同僚は
すばやく
どこかへ行ってしまった
後に続いて
行こうとすると
窓の外に
怪しく点滅する明かりが見えた
念のため
物陰に隠れて
じっとしていると
いつのまにか
ビルの中に異星人が
侵入していた
気づかれないよう
物陰に隠れ
息を殺したが
心臓の鼓動だけは
止めることができず
異星人に気づかれないか
気が気でない
心配すればするほど
心臓の鼓動は
大きくなってくる
(2011年7月18日)