はたまん文庫

みかた

自分に肩書きを授けてくれた
その相手を批判してみせながら
彼女は肩書きを手放さない

借り物の言葉をかき集めて
繕っているだけの自分から
肩書きを取り払うことは
テレビや新聞雑誌での仕事を
失うことだと知っていたからだった

彼女は自分を崇める人たちが
自分から去っていくことを恐れながら
彼らを軽蔑していた

(2014年7月3日)